PCでWEBサイトを閲覧していると、洗練されたおしゃれなサイトに出会うことがあります。 けれどそのサイト、実はInternet Explorerでは見ることができないサイトなのかもしれません。
今回はInternet Explorerというインターネットブラウザについてや各ブラウザのシェア率、IE対応によってできなくなることなどについてご紹介していきます。
IEとは
Internet Explorer(以下、IE)はMicrosoftがかつて開発を行っていたWEBブラウザです。最新バージョンは11で、IE11と略されます。WindowsのPCを買った場合、デフォルトで入っていたWEBブラウザなので、初めてPCで WEBサイトを見ていたときに使っていた、という方も多いのではないでしょうか。
IEは1994年に開発がスタートし、それから約25年以上継続的にサポートされていた歴史あるブラウザです。そのため、他のブラウザに乗り換えず、ずっとIEを使用されている方も少なくありません。
しかし、そんなIEのサポートが終了することが決まり、IE11のサポートは2022年6月15日にサポートが終了します。
サポートが終了すると、ウイルス感染などセキュリティ上の攻撃に弱くなります。それはなぜかというと、脆弱性(セキュリティの不備)を修正するセキュリティ更新プログラムの無償提供が停止するからです。windows updateを実行してもIEの脆弱性は解消されず、IEはマルウェアなどによる攻撃を受けやすくなり、システムの乗っ取りや情報漏えいといったセキュリティ上の危険性が大幅に高まります。
そのため、大規模のWEBサイトに対して、IEを推奨ブラウザから外すように依頼したり、IE11の代わりになるブラウザを使用したりといった対応をする必要があります。
2021年度版 各ブラウザのシェア率について
各ブラウザのシェア率の変動をStatCounterというサイトを使って調べてみました。
以下のグラフは2021年4月から2022年5月のものです。
上から
Chrome:64.39%
Safari:18.93%
Edge:3.77%
Firefox:3.68%
IE:0.54%
IEのシェア率はサポートの終了もあり、1%を切っています。
デスクトップよりスマートフォンでWEBサイトを見る機会が圧倒的に増えているため、chromeのシェア率が俄然高くなっています。また、apple製品が普及したことでsafariのシェア率も増えています。
IE11に対応するということ
IEでの表示について、表示が崩れないようにする、Chromeなどの他のブラウザで見たときと同じように表示する、といった対応をするためには工数とコストがかかります。
理由として、モダンなcssに対応していない、対応はしているけど挙動が他のブラウザと異なる、特定のフォントを使用すると隙間が空くなどのバグ、独自の仕様、解釈などがあるためです。またJavaScriptという言語もあるのですが、こちらもいくつかIEで対応していない記述があります。
もしIE11への対応を行う場合、IE11用に独自の記述をしなければなりません。またその記述が他に影響を与えないかのチェックも必要になります。そうすると、当然のことながら工数がどんどん増えてしまいます。
IEのシェア率は下がってきており、またスマホの普及によりインターネットの利用端末はPCを抜いてスマホがトップになっています。
IE11はスマホにインストールされていません。そして今、インターネットを見る主なツールはPCからスマホに変化しています。IE11に対応するということは、わずかなシェアに対応するということなのです。
まとめ
IE はWEBの黎明期を支えたブラウザです。 しかしながら、今では以下の問題を抱えています。
・モダンなWEBサイトを表現する上での技術的な課題がある
・今後、Microsoftからのサポートが期待できないためセキュリティの問題を抱えている
・IEの対応には工数とコストがかかる
・シェア率が低いため公的機関以外のサイトで対応する場合、どの程度リターンがあるのか事前の調査が必要
しかしながら、様々な理由からどうしてもIEに対応しなければならないという場合もあると思います。その際はまず一度ご相談いただいた上で、本当にIEに対応しなければならないのかも含め、ご提案をさせていただきます。